ホーチミン市はこのほど、ホーチミンと日本の関西との間で観光を促進するためのセミナーを開催した。両国の自治体関係者や旅行会社などが参加し、観光面を通じた協力や交流などについて意見や情報を交換した。

写真㊤=特産品などが並べられたブースを見学し、熱心に情報を集める参加者ら
セミナーに出席したのは、ベトナム外務省の元次官や元在日本ベトナム大使のグェン・フー・ビンさん、関西広域連合長の井戸敏三・兵庫県知事、ホーチミン市観光所のラ・クオック・カイン副所長、兵庫県親善大使のグェン・チ・ズンさんら。また、ベトナム側からはメコン川流域のドンタップ、アンザン、バリア・ブンタウ、ベンチェ、ビンロン、ラムドン各省やカントー市の代表者が参加した。日本からは滋賀、京都、大阪、兵庫、和歌山、鳥取、徳島、奈良などの各府県・都市の代表者のほか旅行会社16社も参加した。

ホーチミン市観光所のカイン副所長は、ホーチミン市がベトナムの経済・文化・科学の中心地であり、同市の経済成長率がこの10年間全国GDPの20%以上を占めていることなど同市の経済的重要性を紹介。また、同市が世界とベトナム国内を航空、船、陸路、鉄道などでつなぐ南部の国際交流の窓口としても重要であることを指摘し、海外からの多くのビジネス客や旅行客を迎える一方で、さまざまな国や地方にベトナム人を送り出しているベトナム南部の人材交流の現状について語った。

 

セミナーでは、ホーチミン市の観光の現状についても披露された。この発表によると、ホーチミン市を訪れた海外からの観光客は毎年平均約9%増加していて、2015年の同市への海外からの観光客は46万人でベトナムを訪れた全外国人観光客の56%を占めたという。2014年の観光収入は43億ドル に達した。これは同市における小売販売・サービス業収入の12%、全国の観光収入の約45%に相当する。

2013年以来、日本人はホーチミン市を訪れる外国人観光客のトップ10リストに名前を連ねており、最近では日本もベトナム人の旅行先として人気が高まってきていることから、今回のセミナーを開催。会場では、各自治体や企業などがPRブースを設けて、観光地としてのホーチミン市のポテンシャルや魅力を発信した。また、日本とベトナムの旅行会社が情報交換や交流し、メコンデルタがグローバル化時代の観光協力や集客の見本となる機会ともなった。