ダラット名物のイチゴ ベトナム10大特産品に

南部ラムドン省の省都、ダラットの特産品のイチゴが、ベトナムの10大特産品の一つとしてこのほど、ギネスブックのアジア版、アジア・ブック・レコ―ズ2023に認定された。

写真㊤=真っ赤に育ったダラットのイチゴ

ダラットのイチゴは、20世紀初期にフランス人からもたらされ、ベトナムで最も古い産地とされる。地域に広がるイチゴ畑では11~4月の乾季にかけて生産が始まる。地元で30年以上にわたってイチゴを生産するグエン・ホアン・ビンさんは「ここの気候は、風味豊かなイチゴの生産に適している」と胸を張る。

ビンさんによると。イチゴの起源にまつわるおとぎ話がある。昔、天上界からやってきた妖精が、悲しそうにしている少女を目にし、少女のてのひらに土くれとともに植物の芽を託した。「この植物の実を摘んで愛する人に贈れば、必ず幸せが訪れるでしょう」と言い残し、妖精は天上界に帰って行った。少女がその芽を大切に育てると、やがて甘い香りとともにまっ赤なイチゴの実がなり、少女に幸福をもたらしたという。


イチゴ畑でのイチゴ狩りは、地元の観光にも一役買っている

イチゴは今、ダラットの主たる作物となり、国内市場には高品質のダラット産のイチゴが広く流通している。地域には、イチゴ狩りを目当てに多くの観光客もやってくる。「イチゴは農家の家計を潤わせているだけではなく、地域の観光振興にも一役買っている」とビンさんは話している。

イチゴはヘルシーな食品としても人気が高い。ハノイの伝統医療センターの漢方医、ルオン・ミン・チュアンさんは「イチゴは免疫の強化を助け、目にもよい」と話している。