ホーチミン市はこのほど、カンゾー県に約60億ドル(約8176億円)相当の国際港の建設を提案した。このターミナルでは、世界最大級の貨物船が停泊できるようになる計画だ。

ファム・ミン・チン首相へ送られた文書の中で、同市人民委員会は、交通省が主導して同委員会や関係機関と協力し、国際港の利点や機会、可能性を評価するよう伝えた。

写真㊤=ターミナルでは、世界最大級の貨物船が停泊できるようになる予定だ(VNA)

ホーチミン市によると、世界のコンテナ輸送の一部をベトナムへ移行させるために、世界最大規模の船舶会社MSC/TIL、ベトナム海事会社、サイゴン港が、カンゾー県に国際港を開発する提案を提出。約7.2kmの埠頭を持ち、1000~1500TEU(20フィート換算)のコンテナ船が停泊できるほか、現在世界最大のコンテナ船(24000TEU)にも対応できる見通しだ。

このプロジェクトは7つのフェーズに分かれ、最初のフェーズは2024年に開始され、27年に運用を開始。最終フェーズは2040年の使用開始を目指している。

2021~30年の間に、ホーチミン市にコンテナターミナルを早期に建設することは、現在そして将来におけるホーチミン市と南部経済地域の輸出入活動にとって重要であると、人民委員会はその文書で述べている。

同委員会によると、カイメップ川の河口にあるカンゾーターミナル地区は、欧州やアフリカ、米国への航路上に位置し、最大25万重量トン(DWT)または24000TEUのコンテナ船の停泊に適した自然条件が整っている。国際港は地域の国々との間で競争力を持つだけでなく、ホーチミン市やベトナム全体の海洋経済のブレークスルーとなる条件を備えている。

ホーチミン市の海港の貨物処理能力は、2015~20年の間に7.34%成長し、2021~25年の期間では、5%増加するとみられる。2021年の処理能力は1億6419万トンで、全国総量の23.36%を占めている。