ベトナム商工省傘下の外国貿易庁はこのほど、急増する輸出製品などの原産地証明(C/O)に対応するため、電子上での申請を始めるなど発行手続きを簡素化した。一方で、米中貿易摩擦の激化から、中国製品をベトナム製と偽って輸出するなどの原産地偽装が増えたことから、不正を抑制のため、関連機関との協力を進め、証明書発行の管理体制を強化させた。

商工省外国貿易庁のファン・バン・チン局長は、原産地証明について、「自由貿易協定のもとで、商品が特恵関税を享受するために重要な文書である」とし、輸出促進のねらいから、ベトナムが発行手続きを簡素化したことを明らかにした。

今年上半期、当局が発行した原産地証明発行は、42万6768件。金額ベースでは271億5000万ドルに相当した。前年同期と比べると件数では7%、金額では20%の増加だった。この伸びに対応するため、外国貿易庁はインターネットを活用し、原産地証明の電子申請と発行にも踏み切った。また商工省は、貿易会社などが優先的に発行申請できる条件を作成し、企業の証明発行のコストや時間の削減に努めている。

しかし一方で、自由貿易協定の締結により、インセンティブが与えられるため、自動車用タイヤ、エビ、アルミニウム、鉄鋼や木材、セラミックタイルなどの製品を中心に、原産地証明の偽装も急増しているという。

例えば、米国向けの合板輸出が急増したことで、商工省は管理を強化する旨を記した文書を首相とベトナム税関総局に、相次いで提出した。チン局長によると、外国貿易庁は関連機関と定期的に情報交換を実施し、原産地証明の発行機関に詐欺の横行について注意を喚起。また、生産拠点まで出向いて実際の商品生産を確認する検査チームのも組織されたという。

また、ベトナム商工会議所(VCCI)にも、特に中国の輸入材料を使って製造加工された商品が米国に輸出される際に原産地証明の発行が企業に求められた場合は、条件を満たしているか、特申請時に綿密な調査を行うよう求めた。商工会議所は、米国向け輸出商品の原産地証明発行に関するレポートを作成し、商品の数量や価値、種類などに関して、外国貿易省に報告する責務を担っている。

急増した原産地偽装から学び、商品の原産地を検証する管理体制などを強化するため、外国貿易庁は、海外のベトナム貿易事務所などとも連携や調整をとっているという。