1960年代の伝統的な婚礼の衣装やしきたりなどを再現した展示がこのほど、フエのフエ文化博物館で始まった。来年2月2日まで。

写真㊤=伝統の婚礼を再現した展示品

会場では、結婚式への招待状や結婚証明書、婚礼衣装のほか、花婿から花嫁の家族への欠かすことのできない贈り物で、かみたばこのようにして味わうキンマ(コショウ科の植物)とビンロウ(ヤシ科の植物)をのせたお盆などが展示されている。

結婚式のしきたりや手順も紹介されている。以前は婚約の前に、花婿の家族が花嫁の家族に結婚の許可をとりつけるなど、6つの儀式があった。現在では簡略化が進んでいるが、それらの儀式が持つ意義は今も尊重されている。

たとえば、花婿の家では花嫁を受け入れる前に、一度花嫁に家に来てもらって先祖のお参りをしてもらう。また、結婚式の夜、新郎新婦はこれから先の1年が愛と理解、幸福に満ちた日々となるよう祈りを込めて12本のキンマとビンロウを噛む。いずれも、地域や村々で、親から子へと受け継がれてきた大切な習慣で、こうした長い歴史を持つ結婚に関する文化、しきたりが、わかりやすくうかがえる展示内容となっている。