アニメ制作会社、べトナム・アニメーション(VAJTC)は、2023年に製作された11作品を同社のユーチューブで公開すると発表した。3D作品に加えて、ベトナムならではのコンピューター制御の切り絵アニメなど多様な作品が含まれている。

写真㊤=「タン山の英雄」のワンシーン(VAJTC提供)

目玉となるのは歴史アニメ3作品。3Dアニメの「タン山の英雄」は、古代から続く大地と水の営みをテーマにした山の神と水の神の戦いの物語。大スケールの古代の神話を最新の3D映像で迫力満点に再現する。

2Dアニメの「ヌア山の銅鑼(どら)の音」は、中国の支配に抵抗した3世紀の伝説の女傑、トリエ・ト・チン(趙氏貞)の反乱の物語。必ずしも歴史に縛られず、親しみやすく、活気がある人物像を描き、観る人の共感を呼ぶ。脚本家で同社脚本局のファン・タン・ハ局長は「映画のようなカメラアングルと壮大な音楽の組み合わせによって、歴史アニメとして際立った作品となった」と胸を張る。


「ヌア山の銅鑼の音」(VAJTC提供)

コンピューター制御の切り絵を使って丁朝の建国者を描いた「ディン ティエン ホアン(丁部領)」は、ハイテク技術とクラシックな切り絵を融合させた独自のビジュアルで、国内でも話題を呼んだ。10世紀のベトナムの独立と統一の基礎を築いた国民的英雄、丁部領を中心に物語が展開する。

今回のユーチューブでの公開について、同社のファン・ゴック・チュアン・ゼネラルディレクターは、「若い世代に楽しく有意義なチャンネルを提供していきたい。今後も、より高品質な作品を生み出すことができるよう、スタッフの育成に注力していきたい」と話している。