国際的な環境保護団体、フォーナ&フローラ・インターナショナル(FFI)が、絶滅危惧種のオナガザルの一種、デラクール・ラングールの新たな群れを発見した。約40頭と2番目に頭数の多い群れとなり、種の保存にとっても朗報となった。

8月23日のFFIの発表によると、デラクール・ラングールの群れは、ベトナム北部の原生林で見つかった。希少種のサルの現地調査を行っていたFFIの科学者らが、発見した。

ベトナムFFIの生物多様生性に関する技術顧問である動物学者、チン・ディン・ホアンさんによると、発見されたデラクール・ラングールの群れは約40匹で、その中でさらに7つほどのグループに分かれていたという。この群れより大きな集団は、他の場所で1グループしか確認されていないという。

デラクール・ラングールは、ベトナムにしか生息しない種類のオナガザル。人間に捕獲されたり、森林の開拓、石などの切り出し、石炭の掘削などの活動で環境が破壊されたりした影響で絶滅の危機に瀕しており、一時は生息数が約250匹を下回ったとみられていた。今後10年間以内に完全に絶滅するとの予想もあったが、今回の新しい群れの発見で、科学者らはこの種を絶滅から救うことができるかもしれないと期待している。

ホアンさんもこの調査結果がベトナムのデラクール・ラングールにとって良い情報であると考える。科学者らは今回、生まれたばかりの赤ちゃんや子ザルがいるのを確認。繁殖の可能性が十分にあるため、今後、保護と管理をきちんと行えば、デラクール・ラングールの生息数を回復させられる可能性があるとみられる。

ベトナムFFIのベンジャミン・ローソン代表は、「デラクール・ラングールと生息地の環境を守るため、人間の悪影響を遮断しなければならない。ベトナムの政府関連機関に調査結果を提出し、一帯の自然保護の申し入れを行うなど、努力したい」と話している。 

デラクール・ラングールはベトナム固有のオナガザルの一種で、米国の鳥類学者、ジャン・デラクール氏によって、1903年に発見された。両足の太もも部分の体毛だけが白い特徴があり、ベトナム語では「お尻の白いオナガザル」「白いズボンをはいたサル」などと呼ばれることもある。

1990年代初頭の調査では、50~57のグループからなる19の群れが確認されており、281~317頭がベトナム北部の産官の森林約5000平方キロメートルの範囲内で生息していた。最近の調査結果では、10年間で8~9の群れが絶滅するなど、群れや生息数が激減していることが懸念されていた。