米国のソプラノ・サクソフォン奏者、ケニー・Gさんの新作ミュージックビデオ「ゴーイング・ホーム(Going Home)」に、ハノイ市の名所が登場、観光PRに一役買っている。作品は、動画配信サイト、ユーチューブ(https://www.youtube.com/watch?v=3MoQwHfMpSk)やケニー・Gさんのフェイスブックから視聴できる。

写真㊤=テーフック橋で演奏するケニー・Gさん(IBグループ・ベトナム提供)

ケニー・Gさんは、1992年に発表した「ブレスレス」が全世界で1000万枚以上の売り上げ、94年にグラミー賞の最優秀インストゥルメンタル作曲賞を受けた。今回のミュージックビデオは、観光プロモーションで、ベトナム共産党機関紙、ニャンザン(人民)新聞(Nhân Dân newspaper)が音楽制作などを手がけるIBグループ・ベトナムとのコラボレーションによってプロデュースした。

同紙のル・コン・ミン編集長は、「われわれにとって、音楽を使った観光プロモーションは初の試み。これまでの観光PRより、大きな関心を集めることになるだろう」と期待を寄せる。きっかけは、昨年11月、ベトナムで開催された国際音楽プロジェクト「グッドモーニング・ベトナム」に、ケニー・Gさんが参加したこと。「彼は、イベントの人道的な主旨に賛同し、チャリティーにサックスを寄付したうえ、観光ビデオにも積極的に参加してくれた」。そこでの交流が今回のプロジェクトにつながった。

ハノイ市人民委員会のチャン・シ・タン委員長(右)にミュージックビデオを贈呈するニャンダン新聞のル・コン・ミン編集長

IBグループ・ベトナムのグエン・チュイ・ズオン社長は「ビデオへの参加を承諾してもらうのには8カ月かかった。アーティスト側からは、時間的にも技術的にも非常に厳しい要求があった」と話す。「しかし、現場に着くと、彼自身とても興奮していた。ハノイ文廟で最後のシーンを撮ったときも、われわれがもっと収録を続けたいか尋ねてきたほど。作品のデモを受け取ったときも、とても満足してくれた」とふり返る。

作品には、ホアンキエム湖やロンビエン橋、ハノイ文廟、タンロン城跡といったハノイ市の観光スポットが続々と登場する。ケニー・Gさんは、視聴者に宛てたカードで、「ハノイは、素敵な人がたくさんいる信じられないくらいの素晴らしい街! みなさんの温かい歓迎に感謝します」と記している。

作品は、文化観光振興の一環として広く発信してもらおうと、ハノイ市や協賛企業、航空会社、テレビ局にも送られた。

ハノイ市人民委員会のチャン・シ・タン委員長は、「ベトナム、そしてハノイ市のイメージを発信する偉大な作品。首都解放70周年という節目に、意義深い贈りものとなった」と称えた。