国際部長に聞く、大阪商工会議所の企業支援 ① ASEAN、ベトナム、中国…海外での活動バックアップ

Vietnam News Liner(ベトナムニュースライナー)のウェブサイトを運営するNews Liner(ニュース ライナー)が毎週、お届けしておりますラジオ大阪(OBC 1314kHz)の情報番組「朝かつ」(日曜午前7時20分スタート)。番組に登場して頂いたゲストの皆様のお話を掲載します。

今回のゲストは、大阪商工会議所国際部の丸山新二部長。ベトナムなど海外への進出を考える企業に対するサポートを始め、大阪商工会議所の幅広い企業支援についてお話を伺いました。

――今朝のお客様は大阪商工会議所国際部の丸山新二部長です。よろしくお願いします。わたしは大阪商工会議所・国際部さんの重要性を知っているつもりですが、「国際部」はどのようなお仕事をしているのか、疑問に思っている方がいらっしゃるかもしれません。

国際部についてご紹介させて頂く前に、商工会議所について、ご質問頂くこともありますので、少しご説明します。大阪商工会議所は大企業さんや中小企業さんといったさまざまな企業の皆様に会員になって頂き、こうした企業さんのためにそして、大阪の地域のために、様々な仕事をしているところでございます。その中で、国際部は「海外に関係するお仕事のお手伝い」をしています。

――海外に関係する事とは、例えば、企業の海外進出などでしょうか。

色々あります。海外へ商品を輸出するという業務に関係するものもあれば、海外からの輸入に関する業務もあります。海外へ投資するという事もありますし、最近は海外の企業さんに大阪への投資を依頼する仕事もあります。「出ること」も「入ること」もさまざまな海外絡みのお仕事について、ご支援する。「企業の皆様のため、そして大阪のために役に立つ、という業務をさせて頂いている」。それが国際部です。

――ベトナムに関する情報を発信する「ベトナムニュースライナー」というWEBサイトを運営させて頂いているからそう感じるかもしれませんが、ASEANやベトナムに対する注目度が高まってきていると思います。好ましい事ではありませんが、日本と中国との関係が少しぎくしゃくしていることもあります。注目されるASEANやベトナムに対して「大商(大阪商工会議所)さん」が行っている支援策を教えてください。

企業の皆さんが海外に出る(進出する)場合も、その時々で、海外の環境は変化すると思います。ごく最近までは、中国に対する注目度は高く、われわれ国際部の業務についても、中国に関する仕事が相当量を占めていました。先日、大阪商工会議所が行った企業の皆さんへのアンケート調査でも「中国との業務を止める」というところ(企業)は少なくて、これからも企業の皆さんが「重要な市場」として、中国で活動を続けてゆく、という流れはあります。それに加えて、ビジネスにおいて「次の有望地域はどこか」を考えた場合、あるいは中国とのビジネスと並行して行うことが可能な場合、どの地域が好ましいのか、を聞いた際に、「ASEAN原加盟国」、または、ベトナムを中心とする「大メコン圏」についての関心が非常に高まっています。特に中小企業さんについては、関心が中国を上回っているとも感じておりまして、ベトナムにはここ何年か力を入れてきたところでございます。

――そのアンケートとは「在関西企業の中国ビジネス展開に関するアンケート」ですね。アンケートの結果で、「次の事業展開先として有望な地域」として「ASEAN原加盟国(タイ、マレーシア、インドネシア等)」と考えていらっしゃる方(企業)が66.5%に上り、次いで「大メコン圏(ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジア)」が63.5%でした。事業展開先として有望な地域として「中国」とする回答(41.9%)を上回りました。

そうですね、(ASEAN原加盟国、大メコン圏が中国を)上回ってきたのは、初めてではないかと思います。

――ベトナムへの進出支援として近く具体的なアクションがあると伺いました。

ベトナムについては、実際に進出なさった中小企業さんからもいろいろ伺っています。上がったと言っても、いまだに賃金は比較的安いです。労働者の質は高いですね。政治的な混乱も見られません。進出される条件として、非常にやりやすいと思います。特に、実際に行かれた皆さんがおっしゃるのですが「対日感情が非常に良好で、日本人が(ベトナムに)行って、非常に仕事がしやすい」という声が多いです。ASEANの中では、タイへの企業進出が進んでいます。(日系)企業の数も相当、多いのですが、「これから新しく取り組む」、「ASEAN地域の中での分業」など、さまざまなメリットを考慮しながら、進出について考慮した場合、ベトナムはキーポイントになる国だと思います。現状では、企業の方々が中国で引き続きビジネスをするというニーズに合わせ、私たちもそれに向けた事業に力を入れなくてはいけませんが、ベトナムへの進出支援にも、力を入れてきた、というのが最近の事情です。

――中国でのビジネスに引き続き積極的に取り組まれるというのは、先のアンケートからも分かります。また、丸山部長がおっしゃったように、ベトナムにはさまざまな優位な点、良い所があるとも思います。対日感情が良く、親日的な国であるというのは、何度もベトナムに行き、実感しています。暮らしやすさ、生活のしやすさのようなものも感じます。また、すでに進出されている日本の企業も多く、これから行かれるにしても、展開しやすい土壌はあるように思います。10月にも視察があると伺いました。

そうですね。我々もここ何年か、ベトナムに実際見に行って頂く、いわゆる「ミッション団」と呼ばせて頂いていますが、参加者を募集させて頂き、団体で行動して、単独の企業では見ることが難しいような所も含めて見学できる訪問を企画しています。実際に進出されているところを見学して頂き、政府関係者と面談して頂く、といった内容です。今年は、ベトナム、周辺のラオス、カンボジアも含めたミッションを予定しております。

――先ほど事業展開先として有望な地域として挙げておられた、「大メコン圏」ですね。ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアですね。

今回ミャンマーは行きません。訪問するのはベトナム、ラオス、カンボジアです。

――今おっしゃった政府の方たち、あるいは地方の行政機関の方たちとの面談は、個人レベルでは実現するのが難しい面もあろうと思います。「海外に進出したい」「進出してみたいが、どのような方法が良いのか分からない」という場合、相談することを始めとして「国際部さん」の役割は大きいですね。まず、国際部の門を叩いてみる、それが、企業にとって有効なことではないのかなと思います。私自身が、実際にご相談して、そう実感しています。

ありがとうございます。我々には、日頃から集めさせて頂いている情報のご提供や関係先のご紹介など、さまざまなことが出来るのではないか、と考えます。海外との関わりについて、まず、「こんなことを考えてんねん」ということでお訪ね頂き、色々な情報を集めるところから、お気軽にお使い頂ければ、ありがたいなと思っております。