コロナ流行前の7割に 観光が急速に回復

新型コロナウイルスの流行で大打撃を受けた観光産業が、世界的に急回復している。ベトナムでも海外からの観光客数がコロナ前の7割まで復活し、にぎわいを取り戻しつつある。

写真㊤=ハノイの旧市街地を散策する外国人観光客(VNA/VNS Photo Tuấn Anh)

国連世界観光機関(UNWTO)の最新の指標によると、昨年の世界の海外旅行者は推定13億人と見積もられ、新型コロナウイルス流行前の88%にまで回復。また、国際観光収入は昨年1兆4000億ドル(約206兆2400億円)となり、2019年の93%に達した。

UNWTOのズラブ・ポロリカシュヴィリ事務総長は、「最新データは観光業の急速な回復を裏付けており、今年末までにコロナ前の数字に回復すると予想される。観光の復活は、経済に多大なインパクトを与えており、雇用と成長機会をもたらしている」と述べた。

ベトナムの観光も急速に回復している。昨年は、1260万人が海外から訪れ、2019年の約70%にまで回復した。世界有数の独立系旅行ニュースソース、トラベル・オフ・パスは、今年、アジアで訪問するのに最も安全な国として、ベトナムを挙げた。にぎわいや治安の良さ、政治的安定感などが理由としており、こうした高評価も追い風になりそうだ。

一方、業界では、観光に対する長期的な政策や戦略を求める声も高まっている。ベトナム旅行業協会のフォン・クアン・チャン副会長は「観光経済に大きな効果を与え続けるには、正確な統計や情報が非常に重要だ」と指摘する。

こうしたなか、ファム・ミン・チン首相は文化スポーツ観光省に対し、今年の第 2 四半期までに、観光事業管理プラットフォームの立ち上げに向けて計画投資省や情報通信省、公安省と連携するよう要請した。