ニャット・レ川のおいしいカキ粥 滋養たっぷりの名物料理 クアンビン省

ベトナム北中部のクアンビン省は、美しいビーチや川や洞窟などの印象深い自然の景観が有名だが、一方でおいしい食べ物でも知られる。なかでも、今の時期「カキ粥」は、忘れてはならない一品だ。

クアンビン省はおいしいカキ料理で知られるが、クアンニン地区クアンハウ町のニャット・レ川で漁獲されたカキは特に有名だ。ニャット・レ川のこのあたりは、海水と林から流れ出た淡水が混ざる場所で、カキが大きな岩や橋脚などに、しっかりへばりついて大きく育ち、品質がよく、味も特においしいとされる。

カキはさまざまなかたちで調理されるが、一般的なのが米粥に入れる食べ方だ。ほかにも玉ねぎといっしょに炒め、生野菜とともにライスペーパーで包んで食べたり、甘酸っぱいソースを添えた焼きガキなどで楽しむこともある。

かつては、手作業で漁獲されていたカキだが、最近では、養殖や機械による漁獲で、手軽に食べられるようになった。しかし、この地域では今でも、川に潜って天然カキを取ってくるという伝統的なカキ漁も残っている。

カキ粥の作り方を紹介しよう。

カキは殻から外してきれいに洗い、玉ねぎとともに炒め、シンプルに塩コショウやチリ少々、魚醤などで味付けする。豚骨スープを加えることで、カキ粥はさらにおいしくなる。豚骨スープに米を入れて柔らかくなるまで煮て、出来上がり直前に、炒めたカキを入れるのだ。鍋からお椀に盛りつけ、炒めたニンニクや玉ねぎ、コショウや小さく切ったラクサの葉を添えて食べると絶品だ。

カキ粥は、朝食や昼食のほか、飲み会でも食べられることが多い。カキは栄養分が豊富でカルシウムなどのミネラル含有量が多いからだ。熱々の粥だけでなく、ベトナムでは冷ました粥も好まれる。

クアンビン省は、訪れた人が美しい景色を見て、おいしい食べ物を楽しんで、もう一度訪れたいと考えるリピーターが多いという。

カキ粥はまちがいなく、もう一度食べたくなる郷土料理だ。