金正恩氏ベトナム入り 北部ドンダンに列車で到着

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、ベトナムの首都ハノイで今月末に開催される予定の米朝首脳会談に参加するため、26日午前、ベトナム入りした。北朝鮮の首都、平壌(ピョンヤン)から列車を利用し、中国経由でベトナム北部ランソン省のドンダン駅に到着した。

ドンダン駅に到着した金委員長は、駅でベトナム政府代表らに出迎えられ、友好的な挨拶を交わした。金委員長は駅の外で歓迎する市民らに、笑顔を向け、手を上げて挨拶、その後、警護された車に乗り込んだ。一行は午前11時ごろ、滞在先であるハノイ市内のホテルに到着したとみられる。

当局は、今月24日から3月2日までの1週間、ドンダン駅への人の立ち入りを制限。ハノイ~ドンダン間の列車の運行も停止された。ドンダンから中国側への列車は、通常どおり運行されている。

ドンダン駅には、金委員長の歓迎のため準備が整えられ、駅にはレッドカーペットが敷かれた。また、おおぜいの警察官らが周辺の警備にあたった。25日早朝からは、国外内のメディア関係者らも集まり取材の準備にあたった。

中越国境に近いドンダンは、1979年に越中間で国境紛争があった場所だ。現在では、中越貿易の拠点のひとつとなっている。

中国の鉄道のレール幅はベトナムの鉄道よりも広いが、ドンダン経由のルートは、通常から中国からの国際列車が乗り入れ、広幅レールに対応したレールが敷かれているため=写真㊦=、北朝鮮側がハノイへの移動経路として選んだとみられる。

ドンダンと首都ハノイを結ぶ国道1号線では25日午後7時から26日午後2時まで、トラックと9人乗り以上の乗用車の通行が文書で規制された。26日朝から午後2時までは、全ての車両の通行を禁止していた。