ベトナム初の廃棄物焼却発電プラントが正式竣工

環境保護と廃棄物の再利用を目的にしたベトナム初の産業廃棄物発電プラントが、ハノイ市のナムソン廃棄物処理施設内に建設され、4月24日、竣工式が行われた。

このプラントは、日本の技術と一部資金援助により建設され、1日75トンの廃棄物処理が可能。発電された電力の一部は国の送電網に供給され、また一部はプラント自体の稼働に利用される予定だ。プラントは、ソク・ソン地区ナムソン地域の16,809平方メートルのエリアをカバーし、投資総額は6,450億ドン以上。うち、4,720億ドンは日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) から資金援助を受け、残りの約1,730億ドンは現地から支出された。

すべての設備と技術は日本の日立造船から提供され、ハノイ市都市環境公社(the Hanoi Urban Environment Company:URENCO) が技術基盤を構築。2016年9月16日に試運転を開始し、工程はすべて日本の専門家による管理と評価の下で実施された。先の3月16日に初めて1.93MWを発電し、うち1.2MWを国の送電網へ供給。残りはプラント自体へ供給した。

ハノイ市人民委員会のグエン・ズァン・トァン副委員長は発足式で、「このプラントはベトナムと地域における初めての事業であり、廃棄物を電気に変換するということだけでなく、ベトナムと日本の素晴らしい友好関係の象徴でもある」と述べた。

産業廃棄物発電プラントは、2050年へのビジョンを含めた、2030年までのハノイにおける固体廃棄物処理に対する基本計画に沿った事業である。環境汚染を軽減し、持続可能な発展を遂げるために、日本の先端技術を活用して産業廃棄物に対処し、新しいエネルギー源を創出するのが狙いだ。

プラントは、1日75トンを処理するロータリーキルン (回転円筒炉) とストーカ式焼却炉 を採用。これらの設備は、幅広い範囲の廃棄物を処理し、ダイオキシン産出量は医療廃棄物の規制値を下回る水準にとどめることが可能だ。

ハノイ市人民委員会は、ベトナム天然資源・環境省に対し、2017年10月にプラントの管理と運転をハノイ市都市環境公社へ移管する前まで、引き続き、テスト稼働中における運転の調査と投資家への案内を継続するよう要請した。