豪、NZでベトナム産ドラゴンフルーツの需要拡大

新型コロナウイルスの感染拡大以降、オーストラリアとニュージーランドで、ドラゴンフルーツとその加工製品に対する需要が急増し、ベトナム企業が輸出を拡大するチャンスが到来している。

写真㊤=ドラゴンフルーツの輸出業者は、品質と量の面で、安定した供給を確保する必要がある

◇人気商品
ドラゴンフルーツは、ベトナムのオーストラリア、ニュージーランドへの主要な輸出品の1つだ。駐オーストラリアベトナム貿易事務所のグエン・トゥ・フオン代表は、「ベトナムは2017年からドラゴンフルーツをオーストラリアへ輸出しているが、輸出額は毎年伸びている。2020年は36%増加した。21年はパンデミックの影響で伸び率は14%と低く、480万ドル(約6億4000万円)だった」と説明する。

ニュージーランドでは、ドラゴンフルーツは、地元企業の輸入が許可されている3つのベトナム産フルーツのうちの1つだ。駐ニュージーランド大使のグエン・バン・チュン氏は、「ドラゴンフルーツは、この市場で最も成功した輸出品の1つ。輸出額は2014年以降、継続的に伸びている」と指摘した。

ニュージーランド政府は2013年から、高い耐病性と収量のあるドラゴンフルーツを開発するベトナムのプロジェクトに資金を投資。このプロジェクトによって、ニュージーランドをはじめとする海外市場へ輸出する高品質なドラゴンフルーツの供給が可能になった。

MGマーケティング(ニュージーランド)の輸入担当ゼネラルマネージャー、ハンフリー・ローレンス氏は、「コロナ後、消費者のドラゴンフルーツに対する需要は高く、5kg箱当たり約40~45ドル(約5400~6000円)で販売されている」と言う。

◇規格の順守
ローレンス氏は、ベトナムの輸出業者に対し、輸入業者の基準を順守し、輸送中・輸送後における製品の品質を確保する必要があるとし、「今後の消費者の判断に影響を与えるため、規格外品の販売は避けることだ」と強調する。

また、フオン代表は、「ベトナム産ドラゴンフルーツを輸入するオーストラリアの業者は、オーストラリア農業・水・環境省のライセンスを得る必要がある」と言う。輸送前には、ベトナム農業農村開発省植物防疫局が認可した施設で、温度46.5℃、湿度90%の環境で40分間、蒸熱処理を行う必要があり、植物検疫証明書も添付しなければならない。

フオン代表は、「オーストラリアでは、ドラゴンフルーツの消費者需要はとても高い。オーストラリア政府は、ベトナムからとは別に、フィリピンからの輸入を許可することも検討している。この国のドラゴンフルーツ市場の競争は、ますます激化しているため、国内企業はベトナム産製品の優位性を保つ必要がある」と指摘した。

オーストラリアとニュージーランド市場で、ベトナム産ドラゴンフルーツの存在感を高めるために、専門家は国内企業に対し、適切な包装と品質、安定供給を確保するよう促している。また、農家と輸入業者の緊密な連携を図り、輸出に適した製品とする必要がある。

ドラゴンフルーツを用いた製品は消費者を魅了しており、ベトナム企業が開拓できる潜在的な市場となっている。