ココナッツの生産性をアップ 改良品種や技術指導で

世界有数のココナッツの生産量を誇るベトナムでは、特産品の生産性を向上させようと品種改良に力を入れてきた。商工省油脂・油脂植物研究所(IOOP)の進めてきた「ココナッツ開発計画2017-2020」もそんな取り組みの一つだ。同計画ではメコンデルタの施設などで新たな品種を開発。収穫量が20~30%増加するなど大きな成果を上げたという。

写真㊤=品種改良によって生産性の向上が進められるココナッツ。当初1㌶当たり7900個 だった収穫量は2020年に1万1000個にアップした。

タイ・グエン・クィン・チュ・プロジェクトディレクター によると、同計画では、Sapココナッツの改良種やタイニン省のチャンバン種苗センターの新品種、ティエンザン、ベントレ両省のTa系品種など新たな4品種の実証モデルを作り上げた。プロジェクト完了の段階では、30万本の新たな苗木が、国内1500㌶のココナッツ菜園に植えられた。メコンデルタのドンゴとベントレのココナッツ・センターなどでは現在も種苗生産用の実が産されている。

これまでの試験では、2015年に1ヘクタール当たり7900玉だった実の収穫量が、計画最終年の20年には1万1000玉にアップ。1本の木当たりにすると、年間3100玉の実が収穫できる計算で、実1個の値段を約23円と想定した場合、1㌶当たり約7300円の収益が見込まれるとしている。

今回の成果をもとに、農家は新たな投資をして、適切な技術を導入することで、病気に強く、より生産性の高いココナッツの木を育てることが可能になる。同計画では、品種改良と同時に、技術の普及活動も展開。高品質のココナッツを作る5コースの養成講座と集中的な農業技術の講座を開催、中南部沿岸の省から153人が参加した。