ミュージカル・ツーリズムに熱い視線 国内観光の起爆剤に

国際的なアーチストが、ワールドツアーの開催地の一つにベトナムを加えることが多くなってきた。こうしたなか、国内外からライブやコンサートを目当てにやってくる旅行者をターゲットにしたミュージカル・ツーリズムに、旅行業界の熱い視線が注がれている。

写真㊤=ニャチャンで開催された8ワンダー・スーパーミュージックフェスティバル。米国の歌手、チャーリー・プースらが出演し、ファンを沸かせた(Photo thanhnien.vn)

カインホア省のリゾート地、ニャチャンでこのほど開催された8ワンダー・スパーミュージックフェスティバル。前売りチケットの発売と同時に現地の宿泊施設の検索サーチ数が急上昇した。うち、80%が国内からのアクセスだったという。

イベントは米国の歌手、チャーリー・プースのワールドツアーの一環で、東京や香港、バンコクに先駆けての開催となった。パースは75分間にわたってヒット曲を披露。ベトナム国内アーチストも多数参加し、7000枚のチケットが売れた。また、ライブに来た多くの人は、リゾート地として有名な現地の観光を楽しんだ。

このイベントについて、ザ・チュオイトレ(若者)新聞は、「音楽と観光のコラボとして、パイオニア的なイベントとなるだろう」とするニャチャン観光協会のチャン・ミン・フック副会長のコメントを掲載した。

旅のアクティビティーを集めた予約サイト、Klook(クルック)のグエン・フュイ・ホアン・マネージングディレクターは、「国際的な音楽イベントは、観光的としての意味でも非常に重要と話す。「開催国だけでなく、世界中からファンがやってくる。そして、イベントにやってくる人は音楽と同時に、地域の観光も楽しんでいる」。

地方の行政当局も、旅行会社と協力して宣伝活動をするようになった。8ワンダー・スーパーミュージックフェスティバルの運営者は、「今回のようなイベントの開催は、ベトナムが国際的な音楽イベントの開催地になるうえでの最初の一歩だ。イベントの成功は、プロモーターに同様のイベントの開催を検討させる好材料になるだろう」と期待する。

そのうえで、旅行国内トップ、べトラベルのヒュイ・ファン・フォン・ホアン副ゼネラルディレクターは、官民の連携が大切だと強調する。「音楽イベントやスポーツイベントを旅行商品として育てるには、地域行政の支援が不可欠だ」と話している。