ベトナムにおける石油精製プロジェクト ビンディン省長へのインタビュー①

 

Vietnam News Liner(ベトナムニュースライナー)は、経済・投資セミナーのため来日されたベトナム ビンディン省のレ・フー・ロック省長に単独インタビューを行いました。
その内容を掲載いたします。

 

質問1 タイ石油公社(PTT)がニョンホイ経済地区に建設を予定している石油精製所について教えて下さい。

◇投資金額について

ビンディン省ニョンホイ経済区における石油精製プロジェクトは2年以上の調査を経て、タイの石油メジャー(PTT)とそのパートナーによって、調査報告が作成され、ベトナムの商工省その他の中央省庁によって認定されました。現在、このプロジェクトはベトナム首相の指示の下、投資計画書を作成するところです。このプロジェクトの詳細について以下のようです。

土地使用の面積は約2000ha。
原油の提供先は主に3つの地域。中東、アフリカ、中南米です。この3つの地域は原油の提供先として、とても優れています。

――効率的に提供してくださるということですね。

そうですね、原油の確保が比較的容易であると考えられます。このプロジェクトはこれら地域のパートナーと長期契約を結ぶ予定です。この原油精製所の原油を確保するためです。基本的には長期の契約ですが、一部短期の契約もあります。

この石油精製所の規模は大きく、年間の製油量は3000万トンの計画です。原油の提供先が一つだとリスクが大きいので、リスクを分散する目的で、原油の生産が多い中東、アフリカを提供先にし、さらに中南米と契約を予定している訳です。

――3ヶ所のうち1ヶ所を選ぶっていうことではなくて。

この3つの地域から提供を受ける予定です。
このプロジェクトを効果的に実現するためには、原油の提供の契約は基本的には長期契約です。一部は短期の契約もありますが。

――現在、計画書を作成しているところなんですか。

今は投資計画書ですね、投資の申請のために必要なものです。調査が終わったところで投資許可をまだ出してないんですね。例えば、最近はギソン製油所の起工式、許可を出したときは起工できますが、ニョンホイの場合は、今はFeasibility Study可能性調査(FS)だけですね。投資許可発行のためのFSは終わったのです。

――投資計画書を今作成している段階ですか。

現在作成中です。投資のために何が必要か。「FSは了解しました」次は投資計画の作成、そして申請です。申請がOKだったら起工式になります。許可申請前の調査は終わったんですね。

次は、精製所の製品についてですが大よそ11製品あります。「92ガソリン」は日本の場合は「ハイオク」みたいでしょうか?「95ガソリン」とは「レギュラー」と考えられます。また、灯油などもあります。
石油精製の製品は11製品です。さらに関連の製品、ポリプロピレンとかベンジンなどですね。

ベトナム国内の消費は一部だけです、ガソリンと軽油ですね。ベトナムには二つの石油精製所があります。ズンクワットとギソンです。その供給で足りない場合は、この製油所で適用します。
ギソン製油所ではガソリンのニーズの約4割を提供できます。

――国内消費の残りの足りない部分を補って、さらに輸出されるということですか。

日本・中国など地域内の他の国に輸出する計画があります。

――地域内にとはどういう意味ですか。

「ASEAN」と東アジア地域ですね。

この会社の施設と技術は現在の最先端技術を採用します。アジア・ヨーロッパ・アメリカからです。

経済・社会への影響も大きいですね。このプロジェクトはベトナムの基準、世界の基準を達成することを約束します。環境の保全について言えば、商業化の時、このプロジェクトはベトナムのエネルギーの安全保障の強化に貢献し、ベトナム国内のGDP(国内総生産)の約1割に貢献できると予想しています。また関連産業の開発の原動力にもなると思われます。社会に与える影響については、1万~3万人の直接労働力を採用できると思われますし、間接的な労働力は10万人に達する見込みです。

 

◇建設開始は2016年にスタートすると伺っていますが完成はいつでしょうか。また、石油精製能力など、施設の規模と能力について教えて下さい。

このプロジェクトは2016年からの予定です。起工式は2016年、今、プロジェクトの投資計画書を作成中ですからね。いろいろな認定でOKであれば起工式という事になります。

――起工式が2016年に予定されていて、その建設工事が完成するのが。

2020年です。商業化、実際の生産開始が2020年末の予定です。能力は年間に3000万トンです。これは原油の精製です。その中にガソリン・オイルは1250万トン。その他のプロダクトが1750万トンです。

――3000万トンの精油能力を有してて、ガソリンに精製できるのが1250万トン、その他のオイルが1750万トン、足して3000万トンですね。

 

◇タイ石油公社はなぜ、ビンデイン省のニョンホイ経済地区を選んだと思われますか。

投資地を選択するときは、タイの石油グループはベトナム国内や他の国でもいろいろ調査して視察しました。最終的にいろいろ考慮し検討した後、彼らはニョンホイ経済区を選んだのは、他の場所より優位的なことがあるからだと思います。具体的には以下のことです。

ベトナム首相の認証をもらった経済区の全体企画にこのプロジェクトがふさわしいからでしょう。

――首相の承認をもらったニョンホイ経済区の全体の構想に、今回の石油プロジェクトが合致しているということですね。

またこのニョンホイ経済区は、多くの条件がそろっているので、立ち退きの必要もない。
プロジェクトを建設するときは、必ず住宅とか建物とかが住んでないようにする必要があります。建設のためには十分に広大な空き地が必要です。

この経済区は深層港湾の、もちろん原油提供のためには大きな船で、大きな船には深層の港湾施設が必要です。
東海(南シナ海)に近いので、原油や製品の運搬に便利です。

またビンディン省にはこの工業団地はかなり有利なアクセスの位置にあります。例えば南北の交通ルート、東西の交通ルートですね、この港湾からはラオス・カンボジアにも行けますし、ベトナム中部の経済中心の南にも位置します。クイニョン市では人材教育施設もあります。これらのセンターでこのプロジェクトの人材にも適用できます。この経済区からクイニョン市、クイニョン市は今は第一都市になります。中央直轄ではありませんが、省レベルの所属の中で一番高いレベルです。この経済区からクイニョン市の中心まですごく近いです。大体5kmくらいですか。クイニョン市の中心部の貿易センター、ショッピングセンター、銀行などにも近いです。

――クイニョン市の都心にも近いということですね。

クイニョン市は橋を行ったら経済区ですよ、中心部から大体5kmだけだと思いますよ。そんなに遠くないです。