天然素材の優しいゴザ

若い女性からお年を召した方まで、い草の袋は年齢に関係なく愛されてきました。ベッドに敷くい草の「ござ」も同じです。最近ではナイロン製の袋や敷き物を見かけるようになりましたが、体に優しい天然素材で作った「ござ」はベトナムの家庭に欠かさない物です。

ござを作る村を訪ねてみました。

ベトナムの北部・ハイフォン郊外のティンラン郡クァンフック村では、昔からござを作る技術が伝えられてきました。
どのように作られているのでしょう。

あるご家庭にお邪魔しました。

家の周囲では材料を干していました。村の通りや道路など、あちこちで同じような光景を見かけます。

しっかりと乾燥させた後、おばあさんと義理の娘さんがきれいに材料を整理していました。

ござを作るための木組はそれほど複雑な物ではありません。

ゴザの繊維はとても丈夫。「一線」ずつ、全て手作業です。勤勉な性格でなければとてもできない仕事です。

これはござに花の模様を入れる時に使う染料です。

模様を印刷するには型紙が必要です。

夏は、暑さのせいか、ナイロン製の敷物は「体に良くない」と敬遠されがち、ベトナム人はベッドの上に「ござ」や「竹のござ」を敷きます。だから、お母さんたちは必ず家にござを用意しているのです。

伝統的な技術を伝える村は、次第に少なくなっています。しかし、この村では、ござを作る確かな技術が残され、家族の絆で、伝えられていました。