商工省の研究機関、インダストリー4.0関連技術の実用化推進

商工省傘下の研究機関は、IoTやAI、クラウドコンピューティングから、ビッグデータ、ブロックチェーン、3Dプリント、ロボティクスに至る最先端技術の研究と実用化を進めてきた。

ベトナムエレクトロニクス・インフォマティクス・オートメーション研究所(VIELINA)所長のグエン・テ・チュエン博士は、「ベトナムでインダストリー4.0の概念が導入される前から、研究所ではその背景技術を研究し、習得してきた」と述べる。現在では、地下炭鉱の統合制御システム、一部の外資系企業で採用されているAIとマシンビジョンを使った製品品質外観検査システム、IoTを用いた酪農場の自動給餌制御・換気システムなど、先進的な製品を多数有している。

直近では、VIELINAは、茶葉生産・加工用の自動制御監視システムの開発に成功。現在、ライチャウ省のタン・ウエン茶葉会社で稼働しているが、この工場は、ベトナムで最新の大規模茶葉生産ライン(日産50トン)を持つ。チュエン所長は、「このシステムの特筆すべき点は、ベトナム人の専門家によって設計・製造・設置されたものであり、AIとIoTの活用により、最も重要な工程を100%自動化したことだ」と強調した。

◇産業用ロボット
また、IMI研究所は、産業用ロボットを活用した倉庫でのスマートな商品積み下ろしシステムを開発した。このシステムはすでに、多くの肥料・飼料メーカーで採用され、輸入品に比べて40~60%のコストダウンに成功している。さらには、ベトナムの中小規模の物流企業に対し、技術的な解決策の提案と実践も数多く行っている。

商工省は、13の研究機関を持つが、そのうち2つは株式会社化されている(経済団体や企業傘下の研究機関、省傘下の大学や単科大学の科学技術団体は除く)。

一般的に、研究機関の科学技術活動は、工業・貿易分野における企業のイノベーションの推進に積極的だ。これらのプロジェクトの成果の多くは、企業の生産や事業に効果的に活用され、生産能力、品質、競争力の強化に貢献している。

同省傘下の研究機関は、基礎・基幹産業の発展に関する科学技術研究活動を強化し、インダストリー4.0の流れに沿ったスマート生産開発やデジタル・トランスフォーメーションを推進する計画だ。