米朝首脳会談契機に海外メディアにPR ベトナムの観光や食、地元企業が情報発信

世界が注目した2月末の米朝首脳会談は、非核化をめぐる協議は不調に終わった。しかし、開催地となったベトナムでは、首都ハノイをはじめ、各地の観光や食文化、自国の経済成長ぶりなどを世界に発信できたと、自国のPR効果が高く評価されているようだ。

米朝首脳会談の取材には、世界各国からメディアの関係者や記者らが、2000人以上も集まった。ベトナム政府は、ハノイの中心部、チャンフンダオ通りにある「ロシアベトナム文化センター」にメディアセンターを設置して、国際的な水準で各国からの取材人の応対やもてなしに当たった。


ロシアベトナム文化センターに設置されたメディアセンター


首脳会談の会場となったハノイのメトロポールホテルで取材する各国メディア

メディアセンターには、メディアごとのブースや、共同利用スペースのほか、食事や飲料が提供される飲食スペースなどが設けられた。これらの場所ではハノイ市人民委員会がプレス対応に当たったほか、厳選されたベトナム企業や旅行会社などがPR用のブースを設置し、自社製品や活動内容を紹介した。

特に飲食エリアでは、海外メディアにさまざまなベトナムの名物料理やお茶、果物などがふるまわれ、メディア関係者らの人気を集めた。


メディア用に設けられた飲食用スペース


ベトナムの伝統的なおこわやぜんざいなどがふるまわれた


ベトナム自慢の豊富な果物もずらり


メディアセンターに設けられたメチャン・コーヒーのブース

メディアセンターでは、メチャン・コーヒー(Me Trang Coffee)やラビフーズ(Lavifoods)といった地元企業がブースを設けた。

メディア向けに無料のコーヒーを提供したメチャン・コーヒーのマーケティング・マネジャー、ボー・チュン・ナム氏は、「会社にとって大変な栄誉」と話す。同社は今年の輸出目標額を100万ドルと見込んでいるが、今回の会議を契機に、海外市場がさらに広がると期待する。

ドイツのフリージャーナリスト、フレデリク・スポール氏は、コーヒーを絶賛し、「このような国際会議儀の場でPRは、地元企業の支援策としてとても有効だ」と話した。

フルーツや野菜を輸出用に加工するラビフーズのレ・タイン取締役は、今回、海外メディアへの製品PRを契機に、キューバのメディアから製造現場の取材依頼があったと話す。「ベトナム製品が世界に向けて発信できた意義は大きい」とタイン氏は話す。


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