10月のCPI前月比0.41%増、大雨と洪水が影響

ベトナムの10月の消費者物価指数(CPI)は、上昇率が前月比0.41%となった。9月上旬にベトナム北部や中部を襲った暴風雨と水害が大きく影響し、広い分野で物価上昇を招いた。1~10月のCPI平均上昇率は3.71%だった。

ベトナム統計総局によると、主要な商品・サービスの11項目すべてにおいて、値上がりが見られた。もっとも値上がり幅が大きかったのが医薬品・ヘルスケア部門で、前月比2.14%増。続いてガソリン・燃料が同1.44%上昇した。建築資材(同0.63%増)、食品・ケータリング(同0.31%増)、教育(同0.19%増)もわずかに上昇した。

大雨と洪水による農作物の生育不振で、野菜など生鮮食料が値上がりしたことが大きく影響した。ド・ティ・ゴック統計総局長は、「大雨の打撃に、結婚式の多いシーズンが重なって、特に大都市圏では食料品の需要過多が見られた。これが、価格引き上げの一因となった」と分析した。

医療関連分野では、保健省が今年6月、健康保健未加入者や、現金支払いを選択した場合などに、補助を支給せず、治療費の全額を本人負担とする政令を出したことが響いた。政令はホーチミン市をはじめ14の地方自治体で、10月より施行される予定。中部高原地帯のコントゥム省やジャライ省などでは、民間の医療機関受診料の値上げも重なっており、医療・ヘルスケア部門の価格引き上げを招いた。

また、食料、エネルギーをのぞいた物価上昇を測るコアインフレーション指数は、10月に前月比0.06%増となった。