ダビファームが抗がん剤製造へ ビンズオン省に国内初の製造施設

(VEN)ポーランドの製薬大手、アダムド(Adamed)・グループは、グループ傘下のダビファームが、抗がん剤を含む細胞障害性と細胞増殖抑制性の経口薬の製造ができる高活性医薬品ゾーン(High Potency Drugs Zone)を国内で初めてビンズオン省に整備、承認を得たとこのほど発表した。

高活性医薬品は少量でも人体に強い薬効を与えるため、製造には人体や環境に影響を与えないよう高い安全性を有する製造設備が必要とされる。世界保健機関(WHO)や欧州医薬品庁(EMA)などと同様に、保険省でも製造においては、建物を分けるなど設備上の厳格なルールを設けている。

2017年11月、アダムド・グループは、ベトナム国内で急成長する製薬会社、ダビファームの経営権を取得。2020年末までに、抗がん剤の錠剤製造のため、製造プラントに1000万㌦(約10億円)を投資してきた。年末までにはEUのGMP(適正製造基準)にも準拠する見通しだ。

統計によると、ベトナムでは近年、10人中8人が、がんを含む糖尿病や循環器疾患などの慢性疾患(非感染性疾患)で死亡。これらの疾患の予防や治療など、対策が急務となっている。

同社のミカル・ウィゾレックCEO(最高経営責任者)は、「ベトナムにおいて、がんはありふれた病気になりつつある。(治療薬を製造する)国内製薬会社の役割もますます大きくなっている」と今回の投資の背景を説明する。同社は、乳がんや肺がん、胃がんの治療薬を含む28の高活性医薬品を製造する計画で、「品質の高い抗がん剤を患者に届けることができれば」と話している。