ベトナム企業の製品品質向上に貢献 ベトナム国家品質賞

ベトナムが地域や国際社会への統合を進めようと努力するなかで、企業発展のためにとっては競争力の強化、製品価値の向上が、決定的な要素となりつつある。このような観点から優秀な企業を表彰する「ベトナム国家品質賞」がこのほど決定し、100余りの企業が表彰式に出席した=写真㊤。

◇品質向上を
国家品質賞の首相賞は、突出した能力をもち、ベトナム企業の競争力を著しく押し上げたとされる団体や企業を表彰するものだ。受賞対象は、組織文化の改善、生産性向上に向けたキャンペーンの実施、そして国家の経済社社会的発展への寄与などが評価されて選ばれる。

2019~2020年の国家品質賞はこのほど、科学技術省が対象となる116社の企業を発表し、授与式に招待した。式典では、アジア太平洋品質組織が主催するグローバル・パフォーマンス・エクセレンス賞(GPEA)の対象となった4社も紹介された。

タイ資本の多角経営企業、C.P.ベトナムフード社は、2019年と2020年の両年の受賞対象となった数少ない企業のひとつだ。同社のモントリ・スワンポスリ社長は、「弊社は、生産や事業運営過程においても改革を心掛け、品質、サービス、競争力と運営方針の向上につとめている。生産性を最大限に高め、地域や世界の経済に統合する努力を怠らない」と話した。

また、国家品質賞の基準が同社や参加企業にとって、自社の強みや弱点、挑戦やチャンスなどを把握することに役に立つとし、「これらをもとに、伝統的な経営方針や、持続可能な将来の発展への道筋を描いている」と話した。

C.P.ベトナムフード社は、ベトナムの畜産業の中心地であるドンナイ省で、国内最大規模の養豚場を運営している点が評価された。養豚場が人間にとっても安全で、環境にも影響を与えない畜産業が実施されているという。

◇近代的な機械
一方、スアンホア社は、家具製造業の分野からは、2020年度の唯一の受賞企業となった。同社関係者は、消費者の需要にマッチする新製品の投入とともに、スアンホアは製造機械や企業運営体制、人材活用などの側面でも大きな改革を実現したと話した。

同社は毎年、G7諸国から数千億ドン規模の最先端の機械を輸入している。これらには、日本のアマダ社製の金属板加工機やパナソニック社の自動溶接機、事所設備やロッカーなどを製造する際に使う、イタリア、サルヴァニーニ社の金属を折りたたみ機などが含まれる。オフィスや高級住居、ホテルなど美しい仕上がりが求められる木製家具製造用の使う自動接着機などが含まれる。

ベトナムだけでなく東南アジア地域でも、最先端を行く家具メーカーとして、スアンホア社は、国内市場を制覇しているだけでなく、海外向けにも輸出を行っている。ラオス、韓国、日本などの市場は販売量が毎年25~30%増とする傾向にある。さらに、昨年は初めて、製品がアメリカやカナダなどに販売されて、北米進出の足掛かりをつかみ、さまざまな厳しい条件や課題をクリアして、1000個の流し台を製造した。

◇企業成長の基盤
過去25年にわたり、これらの賞は2030社以上の企業が受賞し、企業が生産性やサービスの品質、運営効率などを向上させてきた。

ヒュイン・タイン・ダット科学技術相は、受賞企業はすべて突出した改革の象徴であり、ベトナムの知能や技術、生産の優れた見本であるとした。さらにダット科学技術相は、「国家品質賞を受賞した企業は、海外市場にベトナム製品の強みをアピールし、ベトナム産業の地位を向上させるだろう。ベトナム企業の能力や、挑戦する勇気を今後も信じたい」と話した。

さらに、ダット科学技術相は今後、同賞の受賞によって企業が優遇策の対象となれるような方法を積極的に考える方針だ。これによって、名誉だけでなく、ベトナムの企業がさまざまな優遇措置を受けられ、それがさらに新たな推進力となって、ベトナムの製品や企業の競争力がさらに高まるこ都に対して期待を示した。

2019年と2020年の国家品質賞受賞企業の推定収入は192兆ドンを超え、利益は17兆ドンにのぼったとみられる。7兆ドンが国家予算に納入され、10万人以上の労働者雇用にもつながるなど、大きな経済効果を実現した。