水産品輸出の拠点に 集積化進む南部のカントー

ベトナム南部の中央直轄市で水産品貿易の拠点、カントーの今年の水産品輸出高が、前年比23.4%増の4億8500万㌦(約494億円)となり、市の輸出総額の33.4%を占める見通しとなった。

商工局のドン・ニア・ヒエップ副局長は「今年の輸出は厳しい難題に直面している」と話す。複数の国々が、ベトナムのエビに対して高率のアンチダンピング税を課すなど、自国の水産業を守る保護策を打ち出しているのが理由だ。

こうしたなか、カントー市では水産品や加工品の質改善を進めるとともに、輸出のスピードのアップ、鮮度維持技術などに力を入れている。

取り組みの成果もあって、カントー市には、カマウ、バクリエウ、ソクチャン、キンザン、アンザン、ドンタップ省(県)などから車エビ(とその近隣種)やバナメイエビ、トラ・フィッシュ(ナマズの一種)など10万㌧が輸出用として加工されるために集まってくる。さらに、欧州や北米、オセアニア地域、日本といった衛生基準の高い国々のマーケットに適合した高品質な輸出品のウエートが高まっている。

輸出における障壁や相手国との論争にもかかわらず、カントーは昨年14万㌧、前年比9%増の4億2000万㌦の水産品を輸出した。