花や模様、色鮮やかに ハータイ村の漆

ハノイの南約20㌔、トゥオンティン県ヅエンタイ村のハータイ工芸村は、200年以上の歴史を持つ漆製品の産地として知られる。花や風景、模様をあしらった色鮮やかな絵柄は、海外でも人気が高い。

木や竹、籐といった従来の素材に加えて、現在では焼き物や複合素材なども使用。絵画や花瓶、器などの装飾品から、テーブルやベッド、イス、キャビネットといった家具にいたるまで、さまざまな作品が作られている。多くはベトナムの自然や風景、風俗、文化をモチーフにしており、他の地域には見られないような鮮やかな色彩が特徴だ。

漆器は、国内外のさまざまな催しにも出品、展示され、多くの賞を受賞している。海外での人気も高く、現在は米国をはじめ、英国、フランス、イタリア、スペイン、日本、韓国に輸出されている。ヅエンタイ村では、漆器の販売促進とともに、伝統工芸について学ぼうとする旅行客を受け入れるために、村内に商業地区を設けている。

同村は2001年、国の伝統的工芸村に登録され、漆製品は地域経済の発展にも寄与してきた。また、国内外の観光客を誘致する国の工芸村マスタープランの対象にもなっているほか、ベトナム工芸協会の優良工芸村100選にも選出されている。