ベトナムのグエン・フー・チョン書記長 インドネシア、ミャンマーを訪問 両国との関係、あらゆる分野で新たな高みへ 1

ベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長は、8月22日から24日までインドネシアを公式訪問、24日から26日までは、国賓としてミャンマーを訪れた。ベトナムにとってインドネシアとミャンマーは、東南アジア諸国連合(ASEAN)内の重要なパートナーであり、ASEAN設立50周年を記念し、ベトナムのASEAN加盟から22周年を迎えたこの時期の訪問は、両国との関係において基盤の強化を図るとともに、多国間の枠組みに準じる協力関係を促進させる狙いがあった。

ベトナムとインドネシア 戦略的な互恵関係を強化へ

ベトナムとインドネシア両国において戦略的なパートナーシップ関係が設立された2013年以降、ベトナム共産党の書記長がインドネシアを公式訪問するのは初めて。チョン書記長のインドネシア訪問は歴史的価値のあるものになった。両国関係の枠組みを確定し、新たな節目を示しただけでなく、二国間関係の発展に未来をもたらす、とみられている。

両国の国交は、1955年に樹立された。今日のベトナム・インドネシアの関係は、多くの分野において顕著で重要な発展を見せている。防衛、安全保障の分野で両国はASEAN国防相会議(ADMM)などで密接に連携している。文化、教育、観光の分野でも数多くの成果がみられる。現在、ベトナムとインドネシアは、将来の両国関係が広範に発展できるように、排他的経済水域(EEZ)画定に向けて交渉に取り組んでいる。さらに、両国はテロや海賊、核兵器の拡散防止などの共通課題の解決に向けて、引き続き協調することを申し合わせた。

ASEAN内で重要なポジションにあるベトナムとインドネシアは、数多くの共通の利益を有する。両国はともに「加盟国が協力したASEANの共同体が、平和と繁栄をもたらすことが必要である」と強調している。また、南シナ海及び東南アジアにおける平和と安定を維持し、南シナ海における領有権問題は国際法、1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)に従って解決する-ことなどを含め関係国の行動規範の完成が重要としている。

経済の分野でベトナムとインドネシアはともに成長を続けている。インドネシアは、名目GDP(国内総生産)で世界16位、東南アジアでは最も大きな市場になる。2016年の経済成長率(実質)は5.02%で、成長が顕著な世界10カ国に入った。ここ数年、ベトナムとインドネシアの貿易は、目覚しい成果をあげている。2012年に双方の貿易額は46億米ドルであったのに対して、2016年の貿易額は56億米ドルに上っている。両国は2018年にこの貿易額が100億米ドルになることを目標に設定した。

インドネシアからベトナムへの投資は2017年4月までで、石油・ガスの調査・採掘や石炭の採掘、銀行、ホテル、木材の加工・輸出、衣類の生産などの分野を中心に59件に上る。ASEAN内では5位、105の国・地域では30位になっている。

チョン書記長の訪問は、ベトナムの対外政策が平和、独立、協力、発展的なものであることを一貫して示し、ベトナムが引き続き、隣接する国々や近隣諸国、特にASEANを重視するとともに近隣の国々との伝統的な友好・協力関係を強化する方針を表した。また、両国の指導者や国民の相互理解・信頼を再確認させ、戦略的パートナーシップを基盤とするベトナム、インドネシア両国の協力関係をより深化させ、地域の平和と安定の維持に協調する姿勢に資するものだった。今回の訪問は、両国関係にとって重要な節目となり、進化をもたらす原動力となるだろう。