通販や電子決済、テトの買い物に変化 流通大手MMメガマーケット

2022年のテト(旧正月)が近づき、ベトナム人たちの購買意欲が高まるこの時期、流通大手のMMメガマーケットでは、例年通り、さまざまなテト商品や休日用の食品を手ごろな価格で提供している。ネット利用の増加や新型コロナウイルスの感染などを考慮し、オンライン通販の多様化やキャッシュレス決済の導入など、買い物の手法は変化しているようだ。

MMがテト向けに特に重点的に仕入れているのが野菜や果物、肉、魚などの生鮮食料品のほか、菓子類やキャンディーなど、テトで必須の家庭用品だ。テト期に商品が品薄になることとインフレを避けるため、顧客ニーズに十分に対応できる数量の仕入れを目指す。

新型コロナウイルスの発生の影響で、ベトナムの消費者が健康を最優先するようになっていることから、今年のテトは、独自のサプライチェーンから仕入れた「新鮮食材」ブランドの展開や、環境に優しい手法で栽培された商品の「MM Bio」など、独自ブランドのPRを強化。商品の購入でもうひとつおまけがつくキャンペーン、テトに不可欠なフルーツの盛り合わせやアオザイなどの購入で自社ポイントが5倍たまるキャンペーンなども同時に展開されている。

MMは今年のテトの目標に、健康で明るい新年、コスト削減、百万人の顧客達成などを掲げる。伝統的なテト用商材を詰め合わせたかご盛り商品は、「繁栄する新年」をテーマに、1かご30万ドンから250万ドンまで、幅広い品ぞろえを実現した。コロナで故郷に帰省できない人向けに、バンチュンなど各地方のテトの特産料理も提供する。

感染抑制のため、休暇中も店頭が込み合うことを避けるため、商品購入を3チャンネルに分散することを奨励している。一つ目がウェブサイト上の独自店舗「MMクリック&ゲット」、もう一つが大手通販会社Zaloの通販サイトを通じた購入、もうひとつが店舗だ。現在、MMのサイトでは、菓子やジャム、飲料、生鮮食品などの必須製品を始め、1万点以上の商品を取り扱い、顧客ニーズに合わせた商品選択を簡便にしている。

このようなオンライン販売チャンネルの利用を増やすために、「4時間以内でのお届け」や「7キロ以内の配達料無料」など、さまざまな販促活動を展開。営業時間外での配達も実施するなど、顧客のテトの買い物体験を想定以上のものにする努力を続けている。

もちろん、支払い手法もキャッシュレス化を進め、MomoやPayooを使ってレジで支払うこともできれば、通販サイトZaloを通じた商品購入なら同社のZalo Payで決済することも選べる。ほかにも、VNPayや銀行ATM支払い、自社サイトを経由した買い物では、QRコード決済も採用するなど、多彩なキャッシュレス決済の導入もコロナ禍のテトならではの進化だ。