観光客を魅了、ハロン湾の海産物

世界遺産に登録されたクアンニン省ハロン湾の魅力は美しい海と浮かぶ無数の島々の絶景だけではない。カブトエビ、タニシ類、米粉の生地を蒸し焼きにしたバイン・クオンに乗せたイカハムなど、夏にハロン湾を訪れたら絶対にはずせない味をご紹介する。

写真㊤=カブトガニ(Sam biển=サム・ビエン)
高級食材として知られるカブトガニを使った料理はハロンの名物のひとつだ。カブトガニの血に調味料などを混ぜ入れて固めた料理やサラダ、カブトガニの足の甘酸っぱい炒めもの、とうがらし炒めなどが有名な料理法だ。また、カブトガニ卵の炒めものといっためずらしい料理もあるし、シンプルにカブトガニを蒸したり焼いたりしたものに春雨をあえた一品もとてもおいしい。

このような料理はハノイから来る観光客たちを魅了し、「カブトガニを食べずには、ハロンから帰れない」と言われるほどだ。


ホシムシ(Sá sùng サスン)=写真㊤=は、海底の泥などに住む無脊椎動物だ。

ベトナム語ではさまざまな呼び方があり、サウビエン、ズンビエンなどと呼ばれることもある。昔から栄養たっぷりの貴重な食べ物で、体に良い健康食品とされてきた。サスンもさまざまな料理方法がある。にんにく炒めや甘酸っぱい味付けにした炒め物などがあるが、カリカリに揚げる調理法がもっともおいしく、人気が高い。


タニシの炒めもの(Ốc xào=オック・ザオ)

観光客にとって、タニシも最高の食べ物である。ハロン湾はシーフードが有名だが、特に海のタニシ(巻き貝)は有名で、値段も手ごろだ。屋台やレストランでもたくさんの種類のタニシが並び、お腹いっぱい食べられるので楽しみのひとつとなっている。

タニシは茹でたり、焼いたりする食べ方が主流だが、炒めたものも人気だ。炒めてココナツやタマリンドで味付けした料理はとてもおいしい。


バイン・クオンのイカハム乗せ(Bánh cuốn chả mực giã tay)

すり身にしたイカと豚肉をキツネ色になるまで揚げたものがイカハム。このイカハムを、米粉を蒸して作ったバイン・クオンと呼ばれる生地に乗せ、ヌックマム(魚醤)をつけて食べます。アツアツを食べるのが最高です。


海の貝(Hà biển=ハービエン)

貝は一年中食べられるが、夏は特につぶが大きくて栄養もたっぷり。人気の調理法は酸っぱいスープだ。酸味を感じさせるこのスープは、暑い時でもご飯が進み、暑さも忘れる。さらに元気も回復するので人気の料理だ。