ベトナムの人材力は75位 「世界人材競争力ランキング」

人材の質による国際競争力を測定する調査「世界人材競争力ランキング(Global Talent Competitiveness Index)」がこのほど発表され、ベトナムは93カ国中75位となった。

調査は国際的なリーダーの育成を行うフランスの経営大学院INSEAD(インシアード)と、総合人材サービス企業アデコグループ(本社:スイス)が行った。

調査によると、ベトナムは、学校教育による才能開発の達成度が低いものの、国際的な知識、技術はおおよそ高スコアをマークした。

「経済が回復するにつれ、国内外を問わず、さまざまな技術が求められるようになります」と話すのは、現地法人のアデコ・ベトナムのニコラ・コノリー・マネジャー。「ベトナムは、既存のものを上手に使うスキルや、改革や企業化精神において高いスキルを有していますが、鍵となるのは、今後成長してくる新たな才能です。現状では学校教育や生涯学習に関して十分な策を打ち出しているとはいえないため、技術格差が生じる可能性があります」としている。

ランキングでは欧州の国々が上位を占め、トップ25カ国のうち16カ国が欧州の国だった。1位は前回に続きスイス。欧州以外でトップ10入りしたのは、シンガポール、米国、カナダ、オーストラリアの4カ国。

調査は、雇用に役立つ技術訓練と職業教育への投資こそが国家の成功への礎となり、ひいてはそれが多くの才能をひきつける結果になるということを示唆。今回の結果については、政府や企業、NGOが教育や人材育成、移民政策を検討する際に実践的・戦略的ツールとして役立ててもらうことを目標としている。

調査対象となった93カ国は、全世界の人口の83.8%を占め、96.2%のGDPを占めている。前回の調査では、ベトナムは103カ国中82位だった。