東南アジアの格安ホテル・レッドドアーズ、楽天などから75億円調達=ベトナムに第2の技術拠点設立へ

東南アジアの格安ホテル運営会社の「RedDoorz(レッドドアーズ)」は、8月19日に実施したシリーズCラウンドの資金調達で、7,000万ドル(約75億円)を調達した。獲得した資金で、市場拡大を目指すほか、第2の技術拠点をベトナムに設立する予定だ。

写真㊤=ダナンのソンチャ山の近くにあるレッドドアーズプレミアム

出資したのは、投資会社のアジア・パートナーズ(シンガポール)や楽天キャピタル(日本)、Mirae Asset-Naver Asia Growth Fund(韓国)など。既存の投資家であるQiming Venture Partners(中国)や世界銀行グループの国際金融公社(IFC)も引き続き支援した。

ラウンドをリードするアジア・パートナーズは、Sea(シンガポール)やNaspers(南アフリカ)、Bukalapak(インドネシア)といった、成長著しいテクノロジー会社の経営幹部らが設立した。成長段階にある東南アジアのテクノロジー会社を投資対象にしている。

今回のレッドドアーズの資金調達は、今年4月にシリーズBラウンドで4,500万ドル(約48億円)を調達したのに続く。これにより同社の調達資金は、2015年の創業以来、1億4,000万ドル(約149億円)に達した。同社はシンガポールで最も資金を獲得したスタートアップの1つであり、格安オンラインホテルの分野では、東南アジアで最も多くの資金を調達している。

レッドドアーズの創業者兼CEOのアミット・サーベルワル氏は、「東南アジアで、最先端のテクノロジーを活用して手頃な旅行ブランドを立ち上げるという私たちの使命に対し、経験豊富な投資家を新しく迎えることができてとても興奮している。シリーズCという投資ラウンドは、ここ数年で私たちが力強い成長を遂げ、市場でリーダーシップを得たことの証だ。レッドドアーズは、世界で最もダイナミックな市場で事業を展開しており、私たちにはプラットフォームを成長させ、市場を拡大する大きなチャンスがある」と述べた。


レッドドアーズの創業者兼CEOのアミット・サーベルワル氏

レッドドアーズは獲得した資金を使って、技術の向上のほか、顧客体験プロジェクトや人材育成、マーケティング部門を拡大し、東南アジアにおけるリーダーシップの地位をさらに強化する。また、現在のインドの技術拠点を補完するものとして、ベトナムに新たに技術拠点を設立する。

加えて、ホテルパートナーを通じて地域で約1万人を雇用するため、シンガポール、インドネシア、ベトナム、フィリピンのすべての施設で、ホテルスタッフを増やし、トレーニングプログラムを強化する計画だ。