バナナもち、海外で人気 カントーの業者が輸出

テトの名物の一つ、バナナもちが海外に輸出され、ドイツやオーストラリアなどで人気を呼んでいる。独特のもちもちした食感や、ヘルシーさが受けているようだ。バナナもちに限らず、近年はテトの食べ物が輸出され、広く世界で親しまれている。

バナナもちを製造、輸出するのはカントーでちまきの製造をしている専門店、バ・カウと、とうふやめん類を専門に扱う合資会社、BJ&T。両者が協力して海外への進出が実現した。

バ・カウの経営者、チ・ゴック・ビックさんは、味のよいバナナもち作りに向けて、こだわりの製法を守っている。まずは、調理前にもち米をきれいに洗ってから、一晩水に浸して、ココナッツミルクや水、塩、ブラウンシュガーと一緒になべで火にかける。ココナッツミルクが分離し水分が蒸発するまで煮続ける。

次にもちを包むバナナの葉を、火にかざして柔らかくしてから、テーブルに並べて、その上に、もちとバナナの実をスプーンで盛り付けた後、葉でくるむ。最後に、葉で巻いたもちをオーブンに並べていく。温度を調節することで、外側がカリッとキツネ色に、中がもちもちの食感となる。輸出用に大量に製造するときは、電気オーブンを使い一度に120個を焼くという。

味の決め手はバナナで、「アップルバナナ」と呼ばれるタイマンザノの熟れた実を使わなくはならない。バナナは熟してくると、濃い黄色の上に黒のまだらが表面に浮かびあがるが、そこまで熟れれば、つぶさなくても柔らかくて甘い味わいになるという。

完成したバナナもちは冷凍してコンテナで出荷される。食べる際は、解凍したもちを焼くだけ。その際、ココナッツミルクとピーナッツを適宜かけるのがおすすめという

バ・カウでは輸出に見合った十分な数量のバナナもちを製造するために、従業員を増やすことを検討中だ。増産するには、より安全な衛生基準に対応したうえで、冷凍の保存期間も2年にする必要があるという。

テトの食べ物としては、ほかにももち米や納豆、豚肉で作るチュン・ケーキ、ゆでトウモロコシやなどが輸出されている。バナナ餅に続き、ベトナム伝統食の海外進出は、今後も続きそうだ。