新たな環境基準を発効へ 工業廃水や廃棄物輸入が対象、資源環境総局が草案

ベトナム国会で昨年、生活ごみ処理の手数料を従量制で徴収することなどを盛り込んだ改正環境保護法が可決されるなど、自然環境の保護や、家庭ごみ企業の廃棄物に対する社会の関心が高まっている。政府とベトナム天然資源環境省はこのほど、廃棄物などに関する6つの基準などを来年、新たに制定すると発表した。また、今年第3四半期の承認を目指し、既存の環境品質基準の改訂にも取り組むという。

ベトナム資源環境総局(VEA)がこのほど草案した14の新たな基準のうち、5つが環境品質基準で、各省や関係部局、地方自治体などが評価作業を行っている最中だという。また、3つは、廃棄物(工業廃水、工業排気、家畜飼育施設からの排水)に関連する基準で、6つは鉄鋼や廃棄プラスチック、紙、ガラス非鉄金属、鉄鋼スラグなどの廃棄物の輸入に関するものとなる。

天然資源環境省のボー・チュアン・ニャン副大臣は、これらの国の環境技術基準や規制は、今年施行される予定の「2020年・環境保護法」にのっとって起草されたものだと説明した。

環境総局はこのほか既存の国家基準についても、11の基準で見直しと修正を行う予定。これらは、環境品質に関する3基準と、廃棄物と廃棄物処理に関する8基準で、政府は来年もさらに、6つの新基準を策定する予定だという。既存の法律との共生や明確に法的議論となる点など、基準草案をブラッシュアップするためにも、「総局は関係当局と緊密に連携し、協力する必要がある」とニャン副大臣は決意を述べた。

ニャン副大臣は、廃棄物の輸入に関する6種類の基準が6月なかにも発効できるよう、総局に対して作業を急ぐよう求めた。さらに、残る基準に関しては、今年の第3四半期の発効を目指す。

天然資源環境省はこれまでに、環境に関する48の基準を設定しており、環境の分野においては、重要な基盤となっている。

これらの中には、環境品質に関する12の基準と、廃棄物や排水処理に関する36の基準が含まれる。これらの基準は総じて効率のよい規定となっているが、一部は、日本や韓国、アメリカ、欧州連合などの発展国の厳しい基準にから遠いものにとどまっており、改良の余地が残されていた。