ベトナム「お祭り」考-イベントと「祭り」2

「伝統的な祭り」に変化が生じていること、さらに「新しいイベント」が開催されることは、現在の生活・文化において客観的に生じる要素の一つであると認識することが必要だ。

しかし、窮屈な考え方にとらわれ、新しいイベントにおける主催の在り様(フォーム)を伝統的な祭りを主催する際に当てはめることは、行わない方が良いだろう。

伝統的な祭りにおいては、地元の人々が作るコミュニティーがお祭りを開催(主催)する役割を担っている。このことを今一度、強調したい。地元の人民は祭りを行う時、準備をし、主催する権限がある。その一方で、国による管理を軽視するべきではない。

さらに、祭りの種類を分類する必要があるだろう。例えば、スケール(規模)による分類だ。村の祭りなのか、地方レベルの祭りか、あるいは地域や省の祭りかというスケールにより分類されるべきだ。

新しい祭り=フェスティバルの多くは昔からの文化や生活習慣から誕生したのではなく、観光振興などを主な目的として開かれる。

それぞれの形態に合わせて管理する方法を作る必要がある。祭り(フェスティバル)の現状に即した対応が求められる。

文化スポーツ観光省は専門家らの意見を参考に、2001年の「祭りの管理規制」を、新しい規制に変更するという。

祭りの開催時間について、現行の規定は観光振興のための祭り(フェスティバル)には、好ましいとは言えない。規定は観光客の滞在時間を制限しまうことに繋がり、主催者の利益にならないからだ。

祭りの管理を行うために、各地方の文化局には祭りとイベントの主催について管理部門が必要だろう。文化スポーツ観光局にも祭りとイベント専門の担当者が必要だ。

地方での経験だが、祭りを成功に導けるか否かの多くの要素は主催者に属する。村のお祭りも国のお祭りも主催者は必要だ。

祭りの主催委員には祭りを行うために大切で欠かせない役割がある。そして、祭りの主催委員は、祭りに関わってきた人々の役割を高く評価する必要があるだろう。

祭りが変化する傾向は現代の生活の状況に起因しているといえる。祭りに関する研究を深めることが必要だろう。